大人と身体醜形障害とは!?【発達障がい 学習塾】2020/03/19①
㊲大人と身体醜形障害
【身体醜形障害とは!?】
・しんたいしゅうけいしょうがい…英語→body dysmorphic disorder …BDD
・醜形恐怖症ともいう
・極度の低い自己価値感に関連して、自分の身体や美醜に極度にこだわる症状である
・実際よりも低い自己の身体的なイメージが原因である
・俗に醜形恐怖また醜貌恐怖とも呼ばれる
・強い強迫観念から身体醜形障害はうつ病を併発する割合もかなり高いとされる
・人口有病率は、0.5-0.7%ほど
・ハイリスク層には、うつ病、社会恐怖、アルコール乱用、薬物乱用、強迫性障害、摂食障害などの罹患者が挙げられる
・学校および職場での社会的孤立により生活の質を著しく損なうため、自殺率も高い
・男性の場合、第二次性徴によって男らしく変化した部分を嫌い、幼児期のままの自分でいたいと思う傾向が強いとされる
・女性の場合は、母親や姉妹など周囲の身体に対する優劣を意識する傾向が強いとされる
・顔自体に限っていえば男性に多いが、身体全体にわたる場合は女性に多いとされる
・醜形障害者の割合に男女比の差はあまりないとされるが、とらわれる箇所は男女個々様々で体全体にいたる
・アメリカの調査ではこだわりの多い部位は
①髪の毛へのこだわりが63%
②次いで鼻、皮膚が50%
③目27%
④頭や顔全体20%
⑤身体全体、骨の形20%
⑥唇、顎、腰17%
⑦歯、脚、膝13%
⑧胸、胸の筋肉、自分の顔全体を醜いと考える10%
⑨耳、頬、男性陰部7%
⑩手、腕、首、額、顔の筋肉、肩、お尻3%と報告されている
【原因】
・自臭症などと並んで、統合失調症の前駆症状として現れる場合も多い
・実際、醜形恐怖は脳内の神経伝達物質であるセロトニンを増加させる薬に反応するという報告がある
・人とのコミュニケーションを上手く取れないため対人恐怖や劣等感に陥り、その感情を外見の劣等へ形を置き換える事で、無意識的にバランスを取っている側面もある
・自己へ自己へと意識が集中しすぎ自身で、完璧なこうであらねば、という枠組みを形成してしまうのが根底にある
・外界(他人)への意識を拡大させると共に、自分への美醜のこだわりより先に対人スキルを含む内面・精神に対する誤った認識の確認、再生、充実が結果的にこれらの強迫観念を解決させる一助になりえる
・マスメディアにおける時代の美醜の価値観も関連する
・長期による深刻な悩みの末、自己同一性に欠ける問題もある
・身体表現性障害と大まかに括れる事が出来る
・しばしば、ノイローゼ的になりパニック発作を起こす場合もある
・強迫性障害からの視点では脳内伝達物質のセロトニンの異常と、眼窩皮質という箇所の異常だともいわれる
・身体醜形障害はナルシシズムの病理であり、自己愛性パーソナリティ障害とも関連がある
・理想の姿を追い求めることで、基底にある深い自己不信から逃れようとする
・森田療法や暴露反応妨害法などが有効とされている
・醜形恐怖は精神病というより元来持つ性格から発している部分が大きい、その際たるものが「完璧主義」である
・醜形恐怖が難治といわれるのは、先天的あるいは、長年積み重なった性格・気質によるためでもある
・最近のプチ整形を筆頭として美容整形の浸透が醜形恐怖を更に根深い問題とさせている
【診療】
・醜形恐怖患者は、性格的に劣等感を持ちやすい
・特にこの症状ゆえに、社会的活動を放棄し、ひきこもりなどで、就労や学業が思うようにはかどらず、社会的コンプレックスを強く持ちがちで、周囲と足並みをそろえられない、自らの非力さで自責の念にとらわれがちである
・しかしけして怠けている訳ではないので、そのような部分を含めて神経症精神療法で広く応用されている森田療法で言う「ありのままの自分を受け入れる」精神で、自らの容姿もさることながら、無理をせず自らの生き方も許容する事が大切である
・本来持っている上昇志向などの良い側面が歪んだ形として、容姿に集中してしまっている状態であり、その向上心をたとえば仕事、学業、趣味・特技等良い方向へ生かしきるのも大切である
・この障害は、性格的な要素が大きいため、完治を期待するよりは、いかに良い方向へ利用していくかが鍵となる
・「こだわり」は短所でもあり、長所でもあるという認識が大切である
(Wikipediaより抜粋)
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