大人と分離不安障害とは!?【発達障がい 学習塾】2020/03/20①
㊳大人と分離不安障害
【分離不安障害とは!?】
・ ぶんりふあんしょうがい…英語→Separation anxiety disorder…SAD
・愛着のある人物や場所から離れることに対し不安を感じることの心理学用語である
・生後6か月から3歳までの児童には一般的にみられる兆候であり病的なものとみなすべきではない
・アメリカ心理学会によると精神障害とされる分離不安障害とは一般的な発育過程でおこる分離不安より著しく過剰な不安感や苦痛があり、それが一定年齢を過ぎても継続する状態とされている
・分離不安障害は自己、および社会的に様々な障害を与える
・18歳未満の児童・青年にはこれらの兆候が最低4週間持続していることを診断の要件とする
・DSM-5では大人においても6か月症状が持続していれば診断が可能とされた
・DSM-5では分離不安症の診断名も併記されている
・またこの分離不安障害は人間だけに限らず、ペットとして飼われている犬や猫など、比較的知能の高い動物でも起きる
・児童・青年において不安障害は5%から25%の割合で発生する
・この大部分は分離不安障害であるとされる
・記録によると児童・青年で不安障害の治療を受けている者のうち50%は分離不安障害と診断されている
・分離不安障害は全ての不安障害の中で最も発症年齢が早い
・大人においてもおよそ7%が分離不安障害を持つ
・調査によると全児童のうち4.1%が分離不安障害を経験するとされ、それを治療せずに放置した場合そのうち3分の1は成人になっても症状が持続する
・有病率は男性よりも女性のほうが高い
【診断】
・青年・大人ではパーソナリティ障害との鑑別も必要になり、併発例も存在する
・境界性パーソナリティ障害の場合見捨てられ不安から特定の人物に執着するが分離不安障害単独の場合境界性パーソナリティ障害に特徴的なその他のおもな症状(自傷行為や自殺の脅し、二極思考、依存対象への脱価値化、気分の急速な変化など)は目立たない
・依存性パーソナリティ障害は自らの世話をしてもらいたいという欲求から人物に執着するが依存対象がいなくなった場合ほかに依存できる人物はいないか探す
・分離不安障害は特定の人物に執着する
・分離不安障害では愛着を持つ物や人から離れないためにさまざまな行動をとる
・典型的には離れることを激しく泣いて拒否する、腹痛や頭痛などの身体症状を訴える、外にいる人物を何度も呼び戻そうとするなどである
【治療】
◎治療は心理療法を第一選択とし、薬物療法は心理療法が失敗するか不十分な場合に適用する
◎心理療法
・分離不安障害では不安の暴露を中心とした行動療法、認知行動療法が検討される
◎薬物療法
・薬物療法は心理療法が功を制さなかったか不十分な場合行われる
・分離不安障害の適応が認定されている薬物は2016年現在存在しない
・大人用の向精神薬が頻繁に使用され、児童・青年の分離不安障害に功を制しているとされる
・いくつかの調査ではフルボキサミン(ルボックス、デプロメール)を処方された患者は偽薬より良好な経過をたどったという
※分離不安障害を勉強されたいならば!