ペットロス症候群とは!? 2020/04/08① #発達障害 #学習塾 #塾 #近江八幡
第56段 ペットロス症候群とは!?
【ペットロス症候群とは!?】
・ ペットロスしょうこうぐん
・ペットと死別したり、ペットが行方不明になったり、盗難に遭ったりしたことなどを契機に発生する、疾患ないし心身の症状のこと
・ペットロスは、文字通り「ペットを失う事」である
・ペットを失うと、様々な心身(精神的・身体的)の症状が起こる
・これは、ペットと共に過ごす事によって培われた深い愛着・愛情が、突然に訪れるペットの「死」や行方不明などによって行き場をなくしてしまうことによって、引き起こされる症状だと解されている
・引き起こされる症状の程度については個人差が大きい
・たとえば、子育てを終えた熟年夫婦にとってはペットが我が子同然の存在になっていることもあり、ペットを失ったショックもまた大きい
・ペットロス症候群とは、ペットとの別れなどというストレスが契機となって発症した精神疾患(症候群≒病気≒疾患)を言い、精神症状に付随して身体症状を伴う場合も少なくない
・最近、このような精神的・身体的障害が起こる原因として、飼い主のペットを伴侶動物(コンパニオンアニマル)としての位置づけが挙げられている
・日本では2000年代頃から注目を集めるようになったが、ペット産業の盛んな米国では1990年代頃より精神疾患の契機として重要視されるようになった
・日本では、内田百閒の『ノラや』(1957年)が、ペットロス症候群という言葉さえなかった頃の、同症候群に関する記述として注目される
【症状】
◎以下に、代表的な精神疾患、精神症状・身体症状の例を示す
・うつ病
・不眠
・情緒不安定、疲労や虚脱感・無気力、めまい
・精神病様症状(ペットの声や姿が一瞬現れた気がする錯覚、幻視・幻聴などの幻覚や、「今に帰ってくるのではないか」という妄想など)
・このような、精神疾患や症状を精神分析的に説明すると、ペットとの別れという現象を受け入れられない場合の防衛機制の一種である逃避であるとも解釈される
・他方、行動療法(行動医学)の基礎理論である刺激反応モデルによって説明すると、ペットの別れという「刺激」に対する生体の「反応」ということになろう
・なお、ペットとの死別に関しては、社会学的には次のように説明される
・近時の少子高齢化を背景に、ペットを生活上の伴侶として扱う(コンパニオンアニマル)人が増加している
・ところが、ペットの寿命は10年程度であり、どうしてもヒトより短命である
・このような人とのより深いかかわりを持つ動物の増加で、ペットとの死別という避けがたい出来事が、飼い主に深刻な影響を与えるケースが増加してきた
・軽度ないし遷延しない症状については、健全な精神性の発露とみなすことが可能ではあるが、健康を害するほどに悲嘆に暮れる状態は健全とは言えず、投薬を中心にして、必要に応じてカウンセリング等を併用する治療を必要とする場合もある
・日本医師会では1ヶ月以上、悲しみが癒えずに不調が続いている場合に、受診を勧めている(外部リンク参照)。心療内科や精神科など専門医の受診も勧められる
・臨床心理士などによる心理療法の分野では、喪失体験からの回復過程を援助するためのプログラム(グリーフセラピー)を行う心理療法家が存在する
【治療】
・上述のグリーフセラピーを行う
・加えて、グリーフケアを通して本人をサポートする
・ペットロスの飼い主が実際に会って互いに悲しみや苦しみを吐き出して共有する、セルフヘルプミーティングが実施される場合もある
・そこでは、ペットロスの体験を共有しながら話をすることで、共感し、自分一人ではないことに気づく
・すると心がほぐれ、自分の体験を語ることができるようになる
・このような流れで、苦しみを吐き出すことができるようになり、心の負担が軽減される
・なお、先述のようにうつ病や不眠、摂食障害などがみられる場合の治療については、「うつ病#治療」・「不眠症#治療」・「摂食障害#治療」なども参照
・ペットロスちゃんねるがペットロスを解消した人151人を対象に行ったアンケートの集計結果によると、ペットロスを解消のきっかけになった出来事で多かった順に
・新しい仔を飼った23%
・時間が回復させてくれた9%
・お葬式や埋葬・供養などをした7%
・動画や写真を見た4%
・家族や友人と話したが3%など
・ペットロス解消法として
・知名度の高い、新しい仔を飼うが23%
・虹の橋を読むが2%
・話をするか3%
・ぬいぐるみやフェルト人形が3%と意外と低い結果だった