スタンダール症候群とは!? 2020/04/13① #発達障害 #学習塾 #塾 #近江八幡 #居場所
第61段 スタンダール症候群とは!?
【スタンダール症候群とは!?】
・ スタンダール・シンドローム…英語: The Stendhal Syndrome
・フランスの作家スタンダールが、1817年に初めてイタリアへ旅行した時の話
・フィレンツェのサンタ・クローチェ聖堂の内部のジオット等のフレスコ画を見上げていた時に、突然眩暈と動揺に襲われしばらく呆然としてしまった
・そのことから、1989年、イタリアの心理学者グラツィエラ・マゲリーニが同様の症状を呈した外国人観光客の例を数多く挙げてこのように命名したもの
・彼女によると、崇高な充実感と同時に強い圧迫感が見られたという
・原因は解明されていない
・憧れのイタリア美術の精髄を目の当たりにして、その作品の中に吸い込まれるような経験をするのだという説もある
・イタリアのローマやフィレンツェ、ミラノのような都市は見上げるような人を圧倒する美術作品、建築が多く、長く上を見上げて眺め続ける姿勢により、眩暈や吐き気、失神が引き起こされるという説もある
・このような症状が起きるのは、殆どが西ヨーロッパの国々からの観光客で、イタリア人にはほとんどない
・またアメリカ、日本からの観光客にもこのような症状が出ることはほとんどない
【映画】
・1996年のダリオ・アルジェント監督のイタリア映画で同名の作品「スタンダール・シンドローム」と題するものがある
・アメリカの猟奇連続殺人の捜査のためにイタリアを訪れたアメリカ人の女性捜査官が、フィレンツェの情報提供者から呼び出されたウフィツィ美術館で、美術作品を見上げていると、突然の眩暈に襲われ、ということでこの症状を物語の色づけに用いた作品である
【似た症状】
◎エルサレム症候群…
・エルサレムしょうこうぐん…英語: Jerusalem syndrome
・エルサレムを訪問することで引き起こされる、宗教を題材とする強迫的思考、妄想、その他の一連の心理現象を指す
・一つの宗教、宗派に特有のものではなく、様々な異なる経歴を持つユダヤ教、キリスト教、イスラム教信徒に影響を与えているとしている
・最も一般的な例ではないものの、エルサレム症候群の最も有名な症状としては、これまで精神的に安定し、精神病的徴候が何ら見受けられなかった者が、エルサレムに到着後精神病を発症する現象がある
・この精神病の特徴は、激しい宗教的主題を伴うことで、典型的には数週間経過するか、エルサレムから離脱することで、全快に至る
・イタリア・フィレンツェのスタンダール・シンドロームや、主に日本人に報告されるパリ症候群といった他の現象とは、宗教を焦点とする点で性格を異にする
・バルエル等は、英国精神医学ジャーナルの2000年に発表された論文において、過去の精神病歴がない旅行者において発現する特異な症候群について発見し、これを記述したと主張する
・しかし、この主張にはM. カリアンとE. ウィツタムによる批判がある
・カリアンとウィツタムによれば、提示された症状の根拠となった旅行者のほぼ全員がエルサレム入り以前から精神疾患であったという
・更には、エルサレム入りの後に自発的な精神病を呈したとされる僅かな割合の旅行者について、バルエル等はエルサレム入り以前に健康であった証拠を何ら提示していないことも指摘した
・エルサレム症候群はDSM IV、DSM V にはリスト入りせず、参照もされていない
◎パリ症候群…
・パリしょうこうぐん…仏: syndrome de Paris, 英: Paris syndrome
・異文化における適応障害の一種であり、カルチャーショックの一種
・「流行の発信地」などといったイメージに憧れてパリで暮らし始めた外国人が、現地の習慣や文化などにうまく適応できずに精神的なバランスを崩し、鬱病に近い症状を訴える状態を指す精神医学用語である
・「憧れを抱いてパリに住む日本人を襲う適応障害の一種
・日常生活のストレスが高じ、妄想や幻覚、自律神経の失調や抑うつ症状をまねく」ともいう
・1991年(平成3年)に、精神科医の太田博昭は同名の著書を出版し、それ以降この症状が認知され始めた
・その後2004年にフランスの精神医学誌『Nervure』にフランスの精神科医らと太田の共著により論文が掲載され、のちに『リベラシオン』などのフランスの新聞やBBCなどの各国のメディアでも紹介された
・この際に報じられた「日本大使館による24時間対応のホットライン」の存在は大使館が否定している
・「パリにやってきて、後に生気を失った顔で帰国する日本人女性」はパリにおける一種の名物ともなっており、日本や日本人とは全く関係のない題材のエッセイに唐突に登場するといったこともしばしばである
・近年では、増加した中国人観光客の中にも発症する人が増えているという