大人と社交不安障害って!?【発達障がい 学習塾】2020/03/18①
㊱大人と社交不安障害
【社交不安障害とは!?】
・しゃこうふあんしょうがい…英語→ Social Anxiety Disorder:SAD
・別名:社交恐怖…しゃこうきょうふ…英語→Social phobia
・愚かに見えないか、場に合っていないのではないかという不安
・他人に辱められることに強い不安を感じる
・社交状況を避けたり、耐えたりすることによって、相当な苦痛がある
・生活に重大な支障があるという精神障害である
・正常な内気は、単に知り合いのいないパーティを怖がるといったものである
・ある社交状況においてほぼ毎回、動悸、下痢、発汗、時にパニック発作が起こる
・2008年に日本精神神経学会は、「社会」から「社交」へと訳語を変更した
・対人恐怖の概念と似ているとする意見がある
・治療は、認知行動療法が優先され、薬物療法では選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であり、反応が部分的である場合にこれらが併用される
・子供や若年者での薬物療法や、大人でのSSRI以外の薬は推奨されない
・人から注目を集める場面において、誰しも不安を感じることがあり、それをあがり症と呼んだり、特にあがりやすい人をシャイと呼んだりする
・通常は、そういった場面に慣れるうちにあがりにくくなるものであり、身体的な症状はあまり発現しない
・これに対して社交不安障害は、対人場面で過剰な不安や緊張が誘発される
・動悸・震え・吐き気・赤面・発汗などの身体症状が強く発現する
・そういった場面にはなかなか慣れないため、対人関係がうまく築けず集団の中で孤立してしまう
・たとえしなければならないことであっても、対人場面を次第に避けるようになり、日常生活に多大な影響を及ぼす点が異なる
【症状】
◎社交不安障害患者が強い不安を感じる場面
・見知らぬ人や、少し顔見知りの人との会話
・人前での発言・スピーチ
・権威がある人(社会的立場が上の人)との面談・会話
・会社で電話をとる
・受付で手続きをする
・人前で文字を書く
・人前でご飯を食べる
・会食やパーティに参加する
・このような場面で社交不安障害患者には、さまざまな症状が身体に現れる
・強い不安を感じる、強い緊張を感じる、頭が真っ白になり何も答えられない
・声が震える、声が出ない、手足の震え、めまい、動悸、口が渇く、赤面する
・汗が出る、吐き気がする、胃のむかつき等の症状がある
・こうした強い不安を避けるため、また人に知られたくないと考える
・社交不安障害患者は周囲の人々との接触や、人前での活動を避けるようになる
・日常生活に支障を及ぼす事になる
・症状が慢性化すると、うつ病やパニック障害などが併発する危険性がある
・症状はパニック障害と似ている
・パニック障害が「死」や「精神的におかしくなってしまうこと」に対する強い不安であり発作的に症状が発現する
・社交不安障害では「人」や「社交場面」に対する強い不安であるところなどが異なっている
・「自殺を考えたことがある」人の割合はうつ病の人よりも多い
・実際周囲の人が思っている以上に患者達は悩んでいるといわれる
・生涯有病率は3 - 13%と言われており決して稀な病気ではない
・5歳以下など世代を問わず発症するが、特に15歳頃の思春期に多い
・30 - 40代あたりに管理職につき、人前で話す機会が多くなり発症するといったケースもめずらしくない
【治療】
・うつ病エピソード以降の社交不安はうつ病の治療に準じ、社交不安障害が先行している場合に社交不安障害の治療がなされる
・社交不安障害のための認知行動療法であるクラークとウェルズ式か、暴露を含むヘインバーグ式によって、約4ヶ月間の15回ほどのセッションである
・これを断り薬物療法を好む場合には、認知行動療法を断る懸念について話し合われる
・社交不安障害では、曝露を含んでいる認知行動療法が行われ、従来は慣れ(馴化)を目的としていたが今では異なる目的でなされるものもある
・薬物療法では選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)である
・エスシタロプラムまたはセルトラリンであり、反応がないか部分的である場合には認知行動療法を追加する
・エスシタロプラムまたはセルトラリンに反応しないか副作用のため中止となった際には、フルボキサミン、パロキセチン、ベンラファキシンが考慮される
・パロキセチンおよびベンラファキシンには中止時にSSRI離脱症候群の可能性があり、過剰摂取時の毒性や自殺のリスクが伴う
・子どもや若年者では心理学的介入によって、8~12回にわたり社会的な状況に対する技能を訓練する
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